私は国内や海外工場における現場現物のモノづくりを行う最前線で、設計や製造の技術職として従事してまいりました。その中では、事業の衰退や撤退などにも携わることも多く、働いていた現場が消えてしまう現実に直面した経験もあります。現場が消えるとわかれば、当然メンバーのモチベーションは下がりますし、先行き不安から転職等を考えだすメンバーも後を絶ちませんでした。

このような苦しい状況下でも、少しでもメンバーに前向きに働いてもらえる関わりができないだろうかと考えたことが、私がキャリアコンサルタントに興味を持ったきっかけです。

現場支援に携わる中で私が実感したことは、現場のメンバーが前向きに働く環境づくりのためには、メンバーの背景を理解することが欠かせないということです。特に海外の現場においては、現場の文化的背景や業務習慣の理解、異文化間での調整力や柔軟な対応力が重要でした。

企業としてのミッションを達成しつつ、現場のメンバーが意欲的に働ける環境づくりは、一朝一夕には成し得ません。製造現場と同じく果てしない改善活動が必要であり、それはとても地道な作業です。

ですが、チームでの成功体験はまた格別であることも、これまでの業務で実感しております。“谷もあれば山もある、そんな現場をどのように皆で乗り切るか”という課題は、非常に挑戦しがいのあるテーマです。

海外人材と企業のミッションを達成したい、現場をより良いチームにしていきたい、そんな方々の一助となれば幸いです。